金子國義さんとの対談【2013年4月】
1. アイリーン・アドラーでのいろんな出会い。
金子國義(以下 金子)最初に会ったとき、覚えてないのよ
矢部慎太郎(以下慎太郎)10年くらい前。アイリーンですよ、先生。私が銀座に出てきてすぐくらい。でも、その時どうだったとか、細かいことはあんまり覚えてないよね…
※アイリーン・アドラー=銀座の文豪バー
金子なんだか自然な感じだったんじゃない?でも、もう10年になるの…?そんなになる?お互いに若かったのよね。
矢部慎太郎(以下慎太郎)なりますよ〜。中村屋さん(中村勘三郎さん)もそう。自然にスッと出会ってね。
金子中村屋がその時いたの?そう…。
矢部慎太郎(以下慎太郎)もう少し後かも…いや、そのすぐ後だったかしら。
金子僕、最初、慎太郎に怒ったの?
矢部慎太郎(以下慎太郎)なんか先生の周りのみんなが、先生と私が仲良くなるのをいやがったのかな。あまりにも親密になちゃったから。新参者のくせに。
金子10年前っていったら、慎太郎はすごく若いじゃないですか。それでも、僕と仲良くなるくらい綺麗なものを知っているってことは凄いですよね。
矢部慎太郎(以下慎太郎)でも、私は先生に教わったことが多いです。着物のことも、美術品のことも、歌舞伎のことも。本当にいろんなこと。大阪では歌舞伎もたまに見てましたけど、眠くてしょうがなかったんです。だって、ただ歌舞伎を見るってだけだから。でも先生と出会って、中村屋さん(中村勘三郎さん)と出会って、見たいものを見に行くようになってからは、それはもう楽しいですよ。