12年前、私が大阪・北新地から右も左もわからずに銀座に出てきてすぐ、アイリーンアドラーさんに呼ばれて、叱られて、そして泣き合いながら抱きしめあったことは、本当に昨日のようです。
それからずっと、「花魁」とお呼びしては、「慎太郎」と声をかけて可愛がってくださいました。美しいものを見るのが好きだった私は、花魁からもっと深い審美眼を教えていただき、美しいものが大好きになりました。
いつまでも美を愛し、求めた画家、金子國義先生。今まで本当にありがとうございました。そしてみんなに描いてくださった数々の作品と一緒に、まだまだ楽しませていただきます。直接お声かけはできなくなりましたが、これからもずっと…ありがとうございます。
ではいつものように、
「先生、行ってらっしゃい!」
矢部 慎太郎