コシノジュンコさん

金子國義さんと、矢部慎太郎の衝撃的な出会い。

3. 金子國義さんと、矢部慎太郎の衝撃的な出会い。

コシノ ところで、何で金子國義を知ってたの?

慎太郎 それがね、大阪から銀座へ出てきてまだ間もない頃のことなんです。たまたまウチのお店の裏のバーで出会ったんですよ。で、はじめは大げんかっていうか、そんなに仲良しじゃなかったのに、すっごく怒られて。

コシノなんで怒られたの?

慎太郎 たまたま先生とお電話をしていて、エレベーターに乗ってしまったので、「電話切れるかもしれません」って言ったの。そしたらやっぱり切れちゃって。私のお店が忙しかったので、またあとで電話しようって思ってたんです。そしたら、少ししてからそのバーに呼ばれて。1時くらいだったと思います。ウチに来てくれるのかしら、とお迎えのつもりでそのバーに行ったんですよ。そしたらそんな雰囲気じゃないわけ。ほかのママとか、新橋の芸者さん達がいてね、みんな腕組んで待ってるわけ。そんな人達が、「もう先生許してあげてよ」とか言ってるのよ。何のことか全然わかんなくて。わかんないまま、えらい叱られて。私も大阪から来た新参者で、東京の人から血祭り状態。みんなが「先生、もう許してあげてもいいんじゃない?」と言いながら、先生を焚きつけるみたいな感じで。先生もノッちゃって「あなたは冷たいわ!」って。エレベーターで電話が切れたとき、すぐに電話しなかったことがいけなかったみたい。

コシノあの人は、まわりかまわず言ってしまうのよ。

慎太郎 さんざん叱られた挙げ句、その後は、「好きです!」って言いながらお互い抱き合って、ね。なんか私も魂抜けちゃって。自分のお店は満席で超忙しかったんだけど、もうまともに立てないくらいフラフラになっちゃって。従業員に電話して、「今日はごめん、帰して」って。

コシノ可愛そうに、こんなに若いのに。

慎太郎 それがあって、金子先生もなんだか好きになってくださって。それからずっと好きなんです。だから何があっても、一切問題なしなんです。

コシノユニーク。うん、個性的よ。

慎太郎 そうなんですよ。勘三郎さんともそのバーで会うんですよ。文壇バーのアイリーン・アドラーってバー。

コシノ 勘三郎さんとネコ(金子國義=かネコくによし)はそこで会ったの?だからあれが出来たのね。襲名の。(故・中村勘三郎さん襲名時、口上の舞台美術のことです)

慎太郎 そう、そうなの!勘三郎さんと海老蔵君が、そのアイリーン・アドラーっていう路地裏の店にたまたま入ったんだって。

コシノあ、そうなの?

慎太郎 勘三郎さんが、いい店はこういう路地裏にあるんだって海老蔵君に言ってね。バーンって入ったんだって。そしたらそのバーのお母さんもイケイケだったから、ウチは高いよ!一人100万円!とか言って。でもチューしたら入れてあげるとか言ってたみたい。みんなどこかでつながってひとつ、みたいなね。