コシノジュンコさん

コシノジュンコさんと、矢部慎太郎と、淋派。

2. コシノジュンコさんと、矢部慎太郎と、淋派。

コシノ(ホームページの慎太郎写真を見て)わ、きれい!すっごい綺麗ね。眉毛がない方が色っぽいわ。ちょっとやってみたら?

ホームページの慎太郎写真

慎太郎 怖いわ!先生。仕事中、怖くなっちゃうじゃないですか。

コシノ私、この写真、凄く好きよ!やっぱり色っぽくていいわ〜。

慎太郎公式写真みたいなの、これ1枚だけなんですよ。

コシノでも、これ凄い。今はもう世の中にいないけど、大正時代にこんな人いたよね、っていう感じ。いや、ほんと綺麗!慎太郎さんは誰か憧れている人がいるの?

慎太郎誰ってことはないんですけど、時代ですよね。大正のモガとかモボの時代や、あと思いっきり江戸時代とか。今日のこれなら小袖風だから江戸のまだ前でしょう?

コシノ小袖っていうのは粋なものなのよね。江戸の前は、公家と庶民はまったく別個の世界で、着る物によって差別化されてた。でもそういう十二単を着て、動けないくらいたくさん着飾って、というのから、どんどん脱いで開放されて、最初の下着、つまり襦袢なのね、小袖って。そうやって庶民の間で小袖が一般的になって、宗達や光悦とか淋派の人たちが現れて、小袖が絵の世界になったわけ。だからもの凄い数が残ってるのよ。

慎太郎 淋派って、100年や200年に一回とか来るんですよね。先生は、これからどういう淋派活動を?

コシノ 淋派活動っていうか、いろんな分野でできるから、もうライフスタイルよね。淋派の感性。きれいに正しく作るんじゃなくて、何ていうのかな…気持ちを込めるけど、抜くっていうか。

慎太郎遊び心がありますよね。

コシノ遊び心がありながら、完成度が高くて、ふっと抜く。この日本の美って、理屈じゃないのよね。伊藤 若冲もそうよね。過去に凄い人がいて、それが過去の人ではなくて、永遠に日本の文化として残っていく。その途中なのよね、私たちは。今の時代の淋派なのよ。

慎太郎この前先生にお話したシガー灰皿も淋派なんですよ。あれも金で。

コシノ 金を使ってね。それもひとつ入れたらいいわね。2015年で琳派は400年なのよね。その時までにだんだん広めようって。今の人はわからないから、生活の中にいろいろ出てくると、序助に意識してくるんじゃないかな。